死の黒ニワトリ
いつだったか忘れたが、確か一ヶ月か二ヶ月前の話だったと思う。
私はギルメンのwarlockクエストの手伝いに行った。そのときに、おかしなモンスターが現れた。

その者は、音もなく、まるで空から降ってきたかのように湧き出てきた。
彼の名は、

El Pollo Grande<The Black Chicken of Death>

と言う。
スペイン風の名前で、いかにも仰々しいイメージがある。
どんな意味があるのだろう、と調べてみると
「El Pollo」=「にわとり」
「Grande」 =「大きい」
となる。
これを合体させると
「ニワトリのでかい奴」
となるようだ。
後ろのタグ部分を込みで訳すると、

「ニワトリのでかい奴」<死の黒いニワトリ>

となるようだ…
これを格好いいと感じるか、格好悪いと感じるかは個人の感性に大きく左右されるものであるが、
少なくとも私は、このニワトリがカッコいいものに見えてしょうがない。

死の黒ニワトリ


その姿は、私に大きな恐れと、畏怖の念を抱かせる。


前門の虎、後門の狼
日差しが暑い。私の緑の肌を、さらに濃い色にさせるかのように、barrensの日差しは厳しい。
どれくらいそこで待っていただろうか、たった五分がまるで永遠の時であるかのように長く感じる。
まだか、まだか、私は息を潜めながら、繰り返し、繰り返し、心の中で唱えた。
その時目の前の道に突如、高レベルのパラディンが現れた。
私の心は激しく高鳴り、
「こっちを向くなよ、こっちを向くなよ」
と、普段は気にも留めていない神に対し、祈りをささげた。
いまだ五分が経過しない。こんなに五分って長いんだ、と私は思った。



FrostmourneはPvPサーバーと呼ばれる場所だ。
私が居住するSkywallと異なり、あるレベル以上になると中立地帯と呼ばれる他勢力とPvP可能なエリアで活動を行うことになる。
SkywallはPvEサーバーのため、他勢力のプレイヤーと出会うことがあっても、よほどのことがない限り戦うことはない。しかし、PvPサーバーは違う。
基本的に出会ったら、殺すか、殺されるか、二者択一の場合が95%以上である。
また、一度PvPエリアに立ち入ると、自動的にPvP状態となり、PvEエリア(hordeの領地)に戻っても、五分間はPvP状態が持続する。

私はbarrensと呼ばれるhordeの領地から、中立地帯であるサウザントニードルズに行く予定があったため、barrensの町であるクロスロードから一路南へと向かい、そのエリア境界までやってきた。
そのエリア境界には、「グレートリフト」があり、両方のエリア同士をエレベーターで繋いでいる。
Skywallでは、mobも居らず、まったくの安全地帯であったそのグレートリフトは、PvPサーバーではその様子が異なっていた。

私がグレートリフトに到着すると、そこには牛のガードが居るはずなのだが、なぜかそこには名前の赤いドワーフプリーストが居た。
そう、奴はここで通るhordeを待ち伏せしているのだ!
奴は高レベルのようで、レベル表記はドクロとなっており、私よりも10以上のレベル差があるようだ。
10レベル差があれば、よほどのことがない限り、確実に殺される。

しかし、私はそこを通らなければならなかった。
私は奴と戦わずに、一気に駆け抜ける方法をとった。
私は一目散にエレベーターに乗るために駆けた!
奴が走ってくる私に気付き、ゆっくりを私のほうを向く。
奴が何かを詠唱し始める。
「マインドコントロール」
私の背中に戦慄が走る!
今、目の前にはかなりの高さの崖が見えている。
奴の狙いは、一目瞭然だった。
そして奴の呪文は完成し、
私は成す術もなく崖から突き落とされ、そして死んだ…

マインドコントロールとは、かつて私がAB(バトルグラウンド)にて敵のプリーストから受けた事のある呪文で、対象の動きを完全にコントロールし、意のままに操る呪文である。
通常、対象をコントロールした後に崖から突き落とすのによく用いられているようで、これを使われるとかなり屈辱的である。

崖から突き落とされて死んだ私は、安全な場所で死体回収をし、その後は問題なくサウザントニードルズの町へと到着し、無事用事をすませた。
本来なら、ここからグリフォンで飛んで帰っても良かったのだが、私はそのグレートリフト付近でクエストがあったため、歩いて戻る必要があった。
たとえまたドワーフプリーストが居ても、エレベーターを登る側なら不意打ちが出来る、そして逃げれるはず。
と根拠のない考えでもって、歩いて帰ることを決意した。

エレベーター付近に到着すると、トロルの人が居た。どうやらエレベーターを登るようだ。
こいつは好都合、二人なら奴の注意力も分散されるはず!
私は迷うことなく、エレベーターに乗り、やつと再び対面する覚悟を決めた。

エレベーターが上に到着する。
私は必死に駆け出す。
トロルも必死に駆け出す。
奴が三秒遅れでこちらに気付き、そしてゆっくりと旋回し始める。
しかし、奴の動きはさっきと比べ緩慢だ。
我々が二人居ること、エレベーター側からの不意の出現という二つの条件が重なって、奴は反応が鈍い!
これなら逃げれる!
私は後ろを振り返らず駆け抜けて、そして逃げ切った!

「勝った!」
わたしと、トロルは狂喜乱舞の状態で走り続けた。
高レベルのドワーフプリーストを出し抜いたのだ!
奴はきっと悔しがっているに違いない。
私とトロルは、その時は運命共同体であった。

だがしかし、我々の喜びはわずか10秒で終わった。
なぜなら、我々の前方には名前が真っ赤なAllyの集団がひしめいており、その数は約5人、レベルは当然ドクロ表記だ。
「なんたることだ!」
私は思わず呻いた。こんな仕打ち、ひどすぎる。
ついさっき、中立地帯から出たばかりで、私達はまだPvP状態だった。
私は立ち止まって様子を見ていたが、隣のトロルは突撃していく。
当然ながら、奴らはそのトロルをなぶり殺しにした。

すかさず私は、奴らに気付かれないように奴らから視線の通らない山陰に潜んだ。
あまりグレートリフトに近いと、さっきのドワーフプリーストに狙われるが、エリア境界ぎりぎりのため、奴からは見えないはずである。
とりあえず、ここはbarrensのため、あと五分待機すればPvP状態は消え、安全に帰れるはずだ。
そして私の長い五分が始まった…

山陰に潜んでいる間、私はひたすら見つかりませんようにと祈り続けた。
途中、私と同じくらいのレベルのhordeプレイヤーが通り抜けようとしたが、それらはすべてAllyの集団になぶりころされた。
私はひたすらそれをじっと眺めているだけであった。
私は彼らを助けようとせず、ひたすら自分の安全の確保に走ってしまったのだ。
たくさんの同胞が目の前で殺されるたび、私の中で何かが沸々と湧き出してきた。

「このままでは、私の何かが終わってしまう」
私は決心した。
情けない行動をするよりも、いっそ潔く戦って死のう。それが仁義という奴だからだ。
「For the Horde!!」
私は雄たけびを上げて奴らに突撃をしようとした!
目の前にドクロ表記のパラディンが迫る!
ちょうどその時、私のPvP状態は消えた。
ようやく五分が経ったのだ。

今、目の前のパラディンは、赤い名前をしておらず、黄色い名前だ。
「今回は見逃してやろう」
私はそう心の中で呟き、その場を立ち去って無事生還した。


---教訓---
狭い道では、待ち伏せが多い。
出来れば大人数で抜けるほうが好ましいだろう。

挟み撃ち

Hillsbrad Foothillsの悪夢
私は木陰に隠れ、questの対象である豹を探した。
「居た!」
その豹は草むらを悠然と歩いている。
すぐさま私は辺りを見渡す。
街道に近くないか?
Allyの町はどの方角か?
味方のHordeは近くにいるか?
ガードの居るHordeの町は近くにあるか?
そして…Allyは近くに居ないか?
頃合はよし、チャージ開始!
そして私はその豹に突撃する。
私の攻撃が、豹の体力を減らしていく。
豹の攻撃も、私の体力を減らしていく。
豹の体力が半分近くになったとき、
私の背後から攻撃を仕掛けてくるものがいる。
ナイトエルフローグだ!
奴のレベルは…ドクロだ!
ここは相手をハムらせて(相手の移動速度を落とさせるスキル)逃げの一点!
しかしローグの毒に侵され、私は…息絶えた。
そのナイトエルフは、私の死体に唾棄し、立ち去っていく。
これで何度目の死亡だろうか…


Skywallしか知らなかった私にとって、Hillsbrad Foothillsに対し持っていた印象は、のどかな田園地帯のエリアというものであった。まあ、たまにHordeが遊びに来る程度で、平和そのものであった。
Allyにとっては、AlteracMountainsなどの隣のエリアのquestを受けるだけの所で、特別重要なエリアではなかった。
がしかし、Frostmourneはその様子が大きく異なっていた。

Frostmourneにおいては、Hillsbrad Foothillsは正しく戦場、そして地獄である。
いたるところに、AllyやHordeを問わず、死体が転がっている。
そして、百歩歩けばAllyに当り、そして殺し合いが始まる。
強きは弱きを助け、などという言葉は存在しない。
強いものが正義、それがここのルールだ。
そこにおいては、私は弱者であり、強者にとって狩の対象でしかなく、ただ殺されるだけであった。
エリア全体ののどかな雰囲気とは裏腹に、このエリアは強者が弱者を蹂躙する地獄のエリアである…。 

突然背後から忍び寄り、攻撃してくるローグ。
遠くから私を発見し、鈍足な私を執拗に追い回すハンター。
dotをかけて、じわじわとダメージを与えてくるプリースト。
遠距離から強力な魔法を撃ってくるメイジ。
これらすべてのものが一定の場所におらず、絶えずHordeを殺すために駆け回っているようだ。
今までの私は、決まった場所で、決まったルートを回るmobのみを相手にして遊んでいた。
そんな私にとって予想もつかない行動をとる彼らは面白いものにみえた。

何度か殺されていく内に、私は私にとって初めて知る幾つかの発見をした。

<高レベルにならない限り、街道に沿って進むのは自殺行為である。>
街道を歩くのは、通常mobが絡んでくるのを避けるためであるが、それは強者の理論であり、弱者は街道から外れて歩かないと、殺される…

<障害物や、地面の高低差をうまく利用する>
WoWは、よくみると起伏にとんだ地形をしていたり、障害物が結構多い。
SkywallでPvEしかしていなかった私にとって、それらは風景の一部であったのだが、PvPサーバーでは違うようだ。
それらの障害物は、敵プレイヤーからの視線を遮断し、安全に活動が出来るように配置されているような気が、最近し始めてきた。気休め程度かもしれないが…

以上を守れば、Gank(高レベルが、低レベルの人を殺すこと)される率は若干減るかもしれない…
とりあえず、敵プレイヤーから殺されても、装備品の耐久が落ちないのだけが救いである。
gankne


私と、その他のHordeをgankしたナイトエルフである。
この後、皆一致団結して、退治した。
hehe
Hillsbrad Fieldsの戦い
私の近くに居たトロルハンターが、突然瀕死状態になった
よくみると、ちっこい赤ネームの敵が居る。
ノームのローグだ!
「このくそったれのノームローグを倒してくれ!頼む!」
死にかけのトロルハンターは、最後の力を振り絞って、私にそう叫んだ。
レベル27の私は、
「For The Horde!」
と叫び、レベル33のノームローグにチャージをかけた。



のどかな田園の中で、私は農夫を殺すクエストをやっていた。
場所はHillsbrad Fieldsと呼ばれる、人間の農場だ。
ここはAllyに関係のあるクエストは無く、Hordeのクエストのみに関係するエリアであり、本来ならばAllyはここに来る必要はまったくない。
本来であれば、ここはHordeにとって楽にクエストを進めることのできる場所であるはずであった。

クエストの目的の農場では、mobである農夫が枯渇していた。
なぜなら、辺りにはHordeプレイヤーが2、3人おり、彼らが狩りつくしていたからだった。
私を含めると4人となり、そこのmobは自然と奪い合いになっていった。
なんとなく、その場は気まずい雰囲気が漂い始めた。
この場の誰もが、自分以外のプレイヤーを邪魔者、と思っていたかもしれない。
いや、もしかしたら私だけ思っていたかもしれない。
ここでグループ組めばいいのではないかという話は、とりあえず置いておこう…

そんな思いを抱いていたその時、私の隣に居たトロルハンターが、赤ネームのノームローグに殺されようとしていた!
高レベルのAllyだ!
私はすかさずチャージを仕掛ける!
トロルハンターも反撃を開始する!
ノームローグはトロルハンターを集中攻撃して、彼をついに殺した。
しかし、奴の体力はもうほとんど残っていない!
私は知る限りのスキルを使用し、ついに高レベルローグを潰した!

「へへ、やったね!」
と、既に死んでいたトロルハンターからTELLが入る。
そう、ついさっきまで競争していた相手が、一瞬のうちに戦友となったのだ。

その後、ノームローグは我々をしつこく狙い続けた。
だが、その場に居たHordeの私達は。自然と一致団結してそのノームローグを退治する共同戦線が出来たのだ。
「奴は、いつでも我々の背後に居る、気をつけろ!」
こうして、低レベルのHorede達 VS 高レベルのノームローグ一匹の戦いが始まった。

そのノームローグは、我々から離れて行動しているHordeプレイヤーを付け狙っていた。
だが、次第に統率の取れた行動が出来てきた私達は、遂にそのノームローグに圧勝することが出来るようになっていた。
私達はしばらくすると、その農場は平和となり、私達はそれぞれの本来目的に戻っていった。
すると、次は高レベルのAllyの集団が現れた!
その中にはさっきのノームローグも居るではないか!
Ally達は、私達をサクサク殺しまくり、そして我々が進めているクエストの邪魔をするかのごとく、私達の死体の周りでたむろし始めた。
このような状態だと、もはや我々に成す術はない…
確か、とあるadoonnでクリックした相手をメモする「復讐ノート」なるものが在った気がする。
そのノートがちょっと欲しくなった今日この頃であった…


---教訓---
Hillsbrad Fieldsは、どうやら激戦区のようだ。ここでクエストを進めるのは困難な気がする…
しかし、gankに負けない心と、楽しむ余裕があれば、ここでHordeとしての団結力を高めることが出来るであろう…
私は…心が負けそうだ
戦友達

Hillsbrad Fieldsで得られるのは、XPやアイテムではない。団結力と戦友だ。


「Diva ex Cattis(skywall,ally)」に足りないもの…
それは、むさくるしい男と、プリーストである。

これらを解決するため、このsobajは生まれた。
sobajのjは、特に意味はありません…


この輝きを見よ!
hage


師走の忙しさの中、真夜中過ぎに帰宅し、wowのサーバーがアップすると同時に、光るハゲのSSを撮った。
疲れきった頭で複雑な思考の過程を踏まえて、この世の中は理不尽な事で溢れている、という答えを出した…

一応癒し系のキャラであるが、このキャラの後姿を見続けていると、むさくるし過ぎて気持ち悪くなるのは気のせいだろうか…
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